24週 自動人間製造システム
昨日の検診で赤子は週数通りの大きさに育ってました。
今日から7か月目突入。体重約650g。
たまたま脇にあった栗ようかんの箱より重い。
でもまだお腹の中にいて、私の養分を吸って大きくなってね。
だって君はまだ目も開いていないし鼻の穴も開通していないんだよ。
外の世界はばい菌がいっぱいいて怖いから、お腹の中が安全よ。
まったく妊娠というのは不思議なシステムだ。
もちろんセックスという行為をしなければ子は為せないのだけど、その結果子ができるかは運次第。たとえ当人たちが子がほしくなくても、そのタイミングがくれば精子と卵子は勝手に出会い、受精卵を創り出し、細胞分裂を開始する。
そこに人間の意志など介在しない。
母体にとって本来異物である受精卵は「私を攻撃しないでくださーい」と信号を出しながら卵管を転げ回り約一週間かけて子宮にたどりつく。
そこでやれどっこいしょと根付くのである。
ここまで人間の意志関係なし。もはやミラクル。
そんで根付いた受精卵に気付いた私の脳みそは「あっなんか受精したっぽいので次の排卵とめてください!あと黄体ホルモンじゃんじゃん出して」とかなんとかビシバシ指令を出すのである。いつ出したの?ってくらい記憶にない。このころ私はのんきにインドでヨガやってた。
そうして私のからだは劇的に変化していき(現在腰が痛い)、子宮と胎盤という命の装置のもとで夫と私の遺伝子の設計図に基づいて新たな人間が製造されはじめるのだった。
これってすごいことだ。
どんなにテクノロジーが発達しても、この自動人間製造システムは模倣できないだろうな。
この仕事はたぶん、ないがしろにしちゃだめなやつだ。
もろ命にかかわることだから。
生まれて当たり前って思っちゃダメなやつだわ。
だから生まれてきてくれたら、それがどんなに奇跡だったのかを、いつかお腹の中にいる我が子に伝えたいと思う。
まあでも思春期あたりになったら「好きで生まれてきたわけじゃない」とかなんとか反抗してくるんだろうな。ふふふ。青いな。親(私)が子がほしいと思ったのは事実だけど、空恐ろしいほどの生命力で生きようとがんばったのは君だよ。私は腹を貸しただけだ。だから人間として生まれてきただけで「すごいね」なんだよ本来は。ほんとにね。